去年の11月。日頃より私がタイ料理の母と慕う博労町のサワディシンチャオの店主・おぐしみきさんの企画「チェンマイ・ロイクラトン祭りと北タイグルメツアー」のプランの一つで
ジャムニアン・イアムジャルーンさん(通称)ターおばさんの自宅で開催されるお料理教室「VEGGIE KITCHEN」へ参加した時の話です。
私達が参加したお料理教室は半日コース。
早朝チェンマイ市内から出発してターおばさんの自宅へ向かったのですが道中の山道が険しくて
ヤバかった。
市内から離れた山奥とは聞いてたのですが でこぼこ道が延々続くので車酔いする人は酔い止め薬は必須です。
こちらがターおばさんのご自宅兼料理教室の開催場所です。
まるでぽつんと一軒家に出てきそうな大自然の中の大豪邸です。
リビングは広々としたオープンテラス。
自然が運んでくれる風を感じながら何時間でも寛げそうです。
ターおばさんのお手製のお菓子とウェルカムティーを頂きながら
通訳のあゆみさんから料理教室の説明を受けました。
このお菓子サクサク食感と優しい甘味で
普段あまり甘い物を好んで食べない私ですが全種類食べました。
食事前なのにヤバい。ヤバい(笑)
料理教室前に自家菜園の自慢の畑を散策。
この自宅周辺の見渡す限りの広大な敷地には自家菜園の畑がありました。
これバナナの木なんですが初めて見るもんだからめっちゃテンションが上がりました(笑)
こんなに大きな溜め池もありました。
畑で採れた野菜を乾燥させるスペースも小さな虫や埃も入らないようにきちんと本格的なケースで作られていました。
畑なんて一言で表すなんてとんでもない楽園ですね。
参加者メンバーさん達の小川の上からの素敵な笑顔が見れました。
いよいよターおばさんのキッチンへ。
思わず歓喜の声が溢れるほどの素敵なキッチンです。
広々していて生活の風景が絵になるセンスで憧れます。
無造作に積まれた籠と単に吊るしただけのホムデンとガーリックまでもがアートの様。
お料理教室開始。
さて肝心の料理教室ですが時間の都合上デモンストレーション形式でした。
材料は全て直ぐに使えるようにスタッフの方が用意して下さっていたので楽チンです。
と言っても我々もちゃんとお手伝いしましたよ。
作業工程で出た質問には通訳のあゆみさんを通して細かな説明があり
言葉の不安は一切感じませんでした。
タイ料理の極意。
なお頂いたレシピには食材と調味料は明記されていましたが
季節により野菜の味が変わるので分量明記はなさらないそうです。
同じレシピで作っても人により美味しさは違うので味の好みは
それぞれが食べてみて美味しいと思った記憶から再現すること。
技術はもちろん大切ですが 技術の中の一つは記憶から学ぶこと。
そしてタイ料理の基本は食材の甘味・辛味・酸味のバランスで味の良し悪しが変わること。
それぞれの味の尖った部分を消さないことが大切だと教わりました。
いよいよ試食タイム。
この日教わった料理は。
カオソーイ/ข้าวซอย
カオ→お米/ソーイ→細く切る
タイ北部とラオス北部で広く食されてるココナッツミルクの風味が効いた揚げカレー麺。
カオヤム・サムンプライ/ข้าวยำสมุนไพร
カオ→ご飯/ヤム→混ぜる/サムプライ→タイハーブ
直訳通り野菜とハーブにご飯を混ぜてタマリンド(マメ科のフルーツ)・味噌・ハーブで作った
ソースをかけて食べます。
青い花はタイではアンチャン/อัญชันと呼ばれるマメ科の植物。
英国圏ではバタフライピー。日本ではチョウマメと呼ぶそうです。
ナムプリック・トゥアナオ/น้ำพริกถั่วเน่า
ナムプリック→チリペースト/トゥア→豆/ナオ→腐る
タイ納豆とハーブをタイ醤油で味付けしたディップで食べる野菜のおかず。
タイ納豆は日本のものと違って粘りがないです。
シンプルであり奥深い美味しさ。
ターおばさんの料理を一くち口にすると一斉に「うーん。美味しい!」と唸り声を上げました。
カオソーイは今回の旅でいろんなお店で毎回食べてましたが
中でもターおばさんのはダントツで美味しかったです。
スープ一滴残さず食べ切りました。
ナムプリックの畑で採れた野菜はとても大きくて甘みがあって美味しくて…。
レシピはシンプルなものばかりなのに美味しさは奥深くて
これがターおばさんの言う「技術の中の一つは記憶」なのでしょうね。
料理はこれだけでは終わらない。
キノコと青菜のスープ
実はこのスープは当初レシピに無かったものです。
ツアーの企画を担当したみきさんから
(日本のキノコや筍は産地が何処であれ放射能汚染の可能性が高く
せっかく料理を教えて頂いても作れないのでレシピから外して下さい)
と事前にお願いして下さってました。
こちらに来て通訳のあゆみさんとの会話の中で
チェンマイで過ごす間は「キノコ沢山食べる」と話すと
それを聞いたターおばさんが急遽市場に買いに走って下さってお出し頂いた特別なスープです。
お互いの気遣いから生まれた心のこもった贅沢なスープ。
ありがたく頂戴いたしました。
バナナのココナッツミルク煮
新鮮なバナナ。日本のものとは色が違います。
パパイヤ&ザボン
もうこれでもかっ!て程にズラリとお出し頂いたお料理にお腹いっぱいになりました。
カーオ・ラーム/ข้าวหลาม
もち米とココナッツミルクを竹筒に詰めて蒸した郷土菓子。
こちらはお腹がいっぱいなので持ち帰りしてオヤツ用にしました。
と言っても一本丸々食べるとオヤツじゃなくて食事一食分に値します(笑)
最後に。
今回の「チェンマイ・ロイクラトン祭りと北タイグルメツアー」の企画者であり
大阪市中央区博労町の東南アジア諸国に10ヶ国料理レストラン
「サワディ・シンチャオ」のオーナーシェフ・おぐしみきさん。
関西のタイ料理界のレジェンドで私のアジア料理の師匠です。
ミキさんの事はまた別の記事で詳しくご紹介させていただきます。
VEGGIE KITCHENの講師・ターおばさん(本名)ジャムニアン・イアムジャルーンさん。
料理好きな母の影響で幼少期から料理に親しんで育ち 30代の頃 毎週末に通う寺院で寄進のための料理を作り始めたのがベジタリアン料理との出会い。
この世に存在する同じ生き物である動物や魚たちを殺さずとも 私たちは美味しい料理を生み出すことができる。(HPより抜粋)
映画「プール」の舞台になったバーンロムサイのホテルhoshihana village(ホシハナヴィレッジ)の料理監修もされています。
ターおばさんの愛犬・ガティ
ガティ=ココナッツミルクちゃんです。
たまたま参加させて頂いた旅の企画で知った ターおばさんのVEGGIE KITCHENでしたが
チェンマイの山奥で過ごしたこの日の体験は素晴らしい思い出です。
ターおばさん。みきさん。
「ありがとうございました」
そして・・・。
なんと今月14日からターおばさんが来日します。
ちゃっかりチェンマイ旅行のメンバー数人で料理教室&ランチの会に申し込み済ませました。
エッヘン(ノ∇≦*)
追記!ターおばさんのベジキッチン in 茶倉.
追記/2019/09/2.
VEGGIE KITCHENの講師・ターおばさん(本名)ジャムニアン・イアムジャルーンさんが来日していて堺市の茶倉にてMONTO TABLE(モントテーブル)主催の
ターおばさんの「VEGGIE KITCHEN」に参加してきました。
記事はこちら→ターおばさんのベジキッチン in 茶倉.
